屋根の葺き替えやカバー工法で、いま最も多く使われている屋根材がガルバリウム鋼板です。「金属屋根は錆びる、雨音がうるさい」というイメージを持つ方もいますが、それは古いトタン屋根の話であることがほとんどです。実際の性能と弱点を整理します。
ガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンのめっきを施した鋼板です。アルミの持つ「錆びにくさ」と亜鉛の持つ「傷ついた部分を守る働き」を組み合わせており、従来の亜鉛めっき鋼板(トタン)より格段に錆びに強くなっています。
屋根材としての耐用年数は、環境や施工状況にもよりますがおおむね25〜35年程度が目安とされます(塗膜の色あせなどのメンテナンスは別途必要です)。
トタンとの違い
| 比較項目 | 違い |
|---|---|
| めっきの成分 | トタン=亜鉛のみ/ガルバリウム=アルミ+亜鉛+シリコン |
| 錆びにくさ | ガルバリウムはトタンの3倍以上の耐久性とされる |
| 見た目 | トタンは波板の印象が強い/ガルバリウムは平板・立平・横葺きなど選択肢が多い |
| 普及時期 | トタンは古くから/ガルバリウムは1980年代以降、近年の主流 |
「金属屋根=すぐ錆びる」という印象は、トタン屋根の経験から来ていることが多く、ガルバリウム鋼板には当てはまりません。
メリット
- 軽い — 瓦と比べて大幅に軽く、建物への負担が小さくなります。地震時の揺れの影響を抑える効果が期待でき、屋根の軽量化としても有効です
- 錆びに強い — めっき層が鋼板を保護します
- 複雑な屋根形状に対応しやすい — 加工性が高く、寄棟や谷のある屋根にもなじみます
- カバー工法にも葺き替えにも使える — 軽いため、既存屋根の上に重ねる工法とも相性が良い素材です
- デザインの選択肢が多い — 立平葺き、横葺き、瓦調など。色数も豊富です
デメリットと対策
| 弱点 | 対策 |
|---|---|
| 雨音が響きやすい | 断熱材一体型の製品を選ぶ、既存屋根の上に重ねるカバー工法にする |
| 熱を伝えやすい | 断熱材一体型、または遮熱塗装タイプを選ぶ |
| もらい錆び・傷から錆びる | 鉄粉や異種金属の接触を避ける。傷は早めに補修する |
| へこみやすい | 飛来物の多い環境では厚みのある製品を選ぶ |
| 塩害に弱い環境がある | 海沿いは高耐久グレードを選ぶ(次項) |
雨音と断熱の弱点は、断熱材一体型を選ぶことでほぼ解消できます。現在の屋根リフォームで一体型が主流になっているのはこのためです。
スーパーガルテクトなどの断熱材一体型
「スーパーガルテクト」は、ガルバリウム鋼板をさらに改良した素材(ガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加した高耐久タイプ)に、硬質ウレタンフォームの断熱材を一体化した屋根材です。
- 断熱材が一体化しているため、雨音の低減と夏場の熱の伝わりにくさが期待できる
- 軽量で、カバー工法にも葺き替えにも使える
- メーカーによる保証制度がある製品もある
キヨスホームでも、スーパーガルテクトによるカバー工法の施工実績があります(施工事例でビフォーアフターを公開しています)。
塩害地域での注意
海が近い地域では、塩分を含んだ風により金属部分の腐食が早く進みます。大阪でも住之江区など湾岸に近いエリアでは考慮が必要です。
- 海岸からの距離に応じて、より耐食性の高いグレードを選ぶ
- 定期的に真水で洗い流す(塩分の付着を減らす)
- 板金の切り口や傷を放置しない
製品によっては海岸からの距離による保証の条件が定められている場合があります。現地の環境を確認したうえで材料を選定します。
よくある質問
ガルバリウム鋼板は本当に錆びないのですか?
「錆びにくい」であって「錆びない」ではありません。傷、他の金属との接触、塩分の付着などが重なると錆びます。定期的な点検で早期に対処すれば長持ちします。
雨の日の音は本当に気になりませんか?
断熱材一体型やカバー工法であれば、多くの方が気にならない水準まで抑えられます。既存の屋根の上に重ねる場合は特に効果的です。
瓦からガルバリウムに替えると家は軽くなりますか?
大きく軽くなります。特に土葺きの瓦屋根からの葺き替えでは、屋根の重量を大幅に減らせるため、地震時の建物への負担軽減が期待できます。
塗装によるメンテナンスは必要ですか?
素材自体は長持ちしますが、表面の塗膜は年数とともに色あせます。美観と保護のため、状態に応じた塗り替えを検討してください。