この記事の結論
- ブルーシート養生を自分でやってはいけません。高所作業のなかでも危険度が高く、台風後の屋根は特に滑ります。
- 業者によるブルーシート養生の持ちは1か月〜3か月程度。費用は一般的な戸建てで数万円程度が目安です(勾配・範囲・足場の要否で増減)。
- 応急処置の費用も火災保険の対象になる場合があります。領収書と作業前後の写真を必ず残してください。
- 業者がすぐ来られないときは、室内側でバケツとビニールシートを使って受け、家財を移動させます。
台風が過ぎたあと、屋根材が飛んで下地が見えている、庭に瓦が落ちている——このとき最も怖いのは、次の雨で被害が一気に広がることです。屋根そのものの修理はすぐにできなくても、雨をしのぐ応急処置を先に入れることで被害はかなり抑えられます。この記事では、その現実的な段取りをまとめました。
目次
まず安全の確保
被害の確認より先に、次の3点を確認してください。
- 屋根から落ちかけている物がないか — 割れた瓦、めくれた板金、アンテナ。真下は通らないでください
- 電線に触れている物がないか — 倒れた樹木やアンテナが電線に接触している場合は、絶対に近づかず関西電力(送配電)へ連絡してください
- 雨漏りが電気設備にかかっていないか — 照明器具や分電盤が濡れている場合は、その系統のブレーカーを落としてください
飛散した屋根材が隣家や道路に落ちている場合は、二次被害を防ぐため先に声をかけ、通行の危険がある物だけ(手袋を着けて)動かしてください。割れた瓦やスレートの断面は刃物のように鋭利です。
直後にやることの順番
- 写真を撮る(片付ける前に) — 建物全体、被害箇所の遠景と近景、落下物、室内の濡れた場所。撮影日時が残るスマホで撮るのが最適です。片付けたあとの写真しかないと、保険申請で被害の程度を説明しにくくなります
- 室内を守る — 家財を移動し、バケツとシートで水を受けます
- 業者へ連絡する — 「屋根材が飛んだ」「下地が見えている」「雨漏りしている」を最初に伝えると、優先度を判断してもらえます
- 保険会社(または代理店)へ連絡する — 台風被害であることを伝え、必要書類を確認します。申請の流れはこちら
- 近隣への被害を確認する — 自宅の屋根材が隣家の車や窓を傷つけていないか。あった場合は早めに謝罪と連絡を
大きな台風のあとは、屋根業者に依頼が集中します。「雨漏りしている」「下地が露出している」ケースは優先されますので、状況を具体的に伝えてください。
ブルーシート養生とは何をするのか
「シートをかぶせるだけ」と思われがちですが、実際には次のような作業です。
- 破損箇所より広く覆う — 風で吹き込むため、穴の周囲を広くカバーします
- 棟(屋根のてっぺん)をまたいで張る — 片側だけだと雨が入り、風でめくれます
- 土のうや専用の重しで押さえる — 屋根に穴を開けずに固定するのが基本です
- ロープで縛る・端部を巻き込む — バタつきを抑えないと、次の強風で飛んで二次被害になります
持ちの目安は1か月〜3か月程度です。紫外線でシートは急速に劣化し、風でこすれて破れます。あくまで本工事までの一時しのぎであり、そのまま何年も置くものではありません。
また、瓦が広範囲にずれている場合など、シートを張ること自体が危険で行えないケースもあります。その場合は室内側の養生と、本工事を早める段取りで対応します。
自分でシートをかけてはいけない理由
台風のあと、毎年のように屋根からの転落事故が起きています。特に危険なのが次の状況です。
- 濡れた屋根はよく滑る — スレートや金属屋根は、乾いていても傾斜があれば滑ります
- 破損部を踏み抜く — 下地が傷んでいる場所は、体重で抜けます
- 風が残っている — 広げたシートは帆のように風を受け、身体ごと持っていかれます
- 脚立の転倒 — 地面が濡れて緩んでいると、脚立自体が倒れます
屋根の高さは2階建てで6m前後。この高さからの転落は、命に関わります。「自分でやれば数千円」ではなく、「専門業者に頼めば安全に済む」と考えてください。
応急処置の費用と火災保険の扱い
ブルーシート養生の費用は、屋根の形状・面積・高さ・作業時間で決まります。一般的な戸建てで数万円程度が目安ですが、屋根が急勾配だったり範囲が広い場合、足場が必要な場合は増えます。
| 内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 部分的なブルーシート養生 | 2万円〜8万円程度 |
| 広範囲・急勾配・高所での養生 | 10万円〜(足場が必要な場合は別途) |
| 室内側の養生・吸水対応 | 数千円〜3万円程度 |
火災保険の風災補償が使える被害であれば、応急処置にかかった費用も「損害拡大防止費用」として補償の対象になることがあります(契約内容によります)。次の点を守ってください。
- 領収書・明細を必ず保管する
- 応急処置の前後を写真に撮る
- 保険会社に「応急処置をした」と伝える
詳しくは「台風で屋根が壊れたら|火災保険申請の流れと悪質業者への注意」をご覧ください。
業者がすぐ来られないときの室内側の対策
大規模な台風のあとは、どうしても順番待ちが発生します。その間、室内側でできることがあります。
- 水の落下点の下にバケツ+雑巾 — 音と水はねが抑えられます
- 床にビニールシートを広げる — フローリングの膨れを防げます
- 濡れた壁・天井は乾かす — 晴れ間に窓を開け、扇風機やサーキュレーターを当てるとカビを抑えられます
- 押し入れ・クローゼットを開ける — 湿気がこもる場所を通気させます
- 被害の記録を続ける — 日付ごとに写真を残すと、被害の進行が説明できます
台風後に増える悪質業者に注意
台風の直後は、被災地域を狙った訪問営業が急増します。次の言葉が出たら要注意です。
- 「無料でブルーシートをかけます」 — 実際には高額な本工事の契約とセットになっていることがあります
- 「保険で全額おります」「自己負担ゼロ」 — 保険金の額を業者が保証することはできません
- 「今日中に契約しないと順番が回りません」 — 急がせるのは判断させないためです
- 「無料で屋根に上がって見ます」 — 上がった際にわざと壊す被害も報告されています
不安なときは、その場でサインをしないことが最大の防御です。契約してしまった場合も、訪問販売にはクーリング・オフ(書面を受け取った日を含め8日以内)が使えます。手口と断り方は「訪問営業の手口と断り方」で解説しています。
応急処置から本工事までの流れ
- 応急処置(当日〜数日) — 雨をしのぐ養生を入れる
- 被害調査・写真記録(数日以内) — 保険申請に使える資料を作ります
- 見積り作成・保険申請(1〜数週間) — 保険会社の鑑定人による調査が入ることもあります
- 保険金の決定・工事契約 — 金額が確定してから契約するのが安心です
- 本工事 — 部分補修、棟板金交換、葺き替えなど被害に応じて
キヨスホームでは、応急処置だけのご依頼にも対応しています。「まずシートだけ入れてほしい」でも構いません。
よくある質問
応急処置だけをお願いすることはできますか?
できます。ブルーシート養生だけのご依頼も承っています。本工事を必ずご依頼いただく必要はありませんし、その場で契約を迫ることもありません。
ブルーシートはどのくらい持ちますか?
1か月〜3か月程度が目安です。紫外線と風で劣化するため、あくまで本工事までの一時しのぎとお考えください。長引く場合は張り直しが必要になります。
応急処置の費用も火災保険で戻りますか?
風災の補償対象となる被害であれば、応急処置の費用が「損害拡大防止費用」として支払われることがあります。契約内容によりますので、領収書と作業前後の写真を必ず残し、保険会社にご確認ください。
台風の直後は何日待ちになりますか?
被害の規模によりますが、大きな台風のあとは依頼が集中します。雨漏りが発生している場合や下地が露出している場合は優先して伺いますので、状況を具体的にお伝えください。
台風後の応急処置・現地調査は無料でお伺いします。大阪府内・関西圏は最短当日、まずはお電話ください。
お電話(090-8536-9397・9:00-19:00 年中無休)でご相談ください。