この記事の結論

  • 外壁塗装(遮熱・断熱塗装を含む)や屋根の葺き替え「だけ」に使える補助は、大阪市にはありません。国のみらいエコ住宅2026事業も、塗装工事は対象外と明記しています。
  • 屋根で補助が使えるのは、①耐震改修と一緒に行う屋根の軽量化(大阪市は工事費の2分の1・上限115万円)と、②窓の断熱とセットで行う屋根・天井の断熱、の2つの形です。
  • 入口は家の建った年で変わります。平成12年5月以前の家は大阪市の耐震補助、昭和56年6月以降の家は大阪市の省エネ改修補助、平成28年以前の家は国のみらいエコ住宅2026事業が対象です。
  • 大阪市の制度は、契約・着工の前に申請するのが原則です。耐震改修工事の申請締切は2026年12月15日。どの制度も予算に達すると受付が終わります。

「屋根を直すのに、補助金は使えませんか」「外壁塗装に助成金が出ると聞いたんですが」。見積りの場で、よくいただく質問です。先にお答えすると、塗装や葺き替え"だけ"の工事に使える補助は、大阪市にはありません。ただ、工事の組み方しだいで補助の対象に入る形があります。知らずに契約してしまうと、あとからは申請できません。

この記事では、2026年9月時点で大阪市と国が実施している制度を、屋根・外壁の工事から見た目線で整理しました。

※補助制度の内容は年度と予算の状況で変わります。この記事は2026年9月18日時点で各制度の公式ページを確認して書いています。申請の前には、必ず公式ページで最新の条件をご確認ください。

リフォームの見積書と補助制度のパンフレットをテーブルに広げ、施主と工事担当者が手元で確認している様子
補助が使えるかどうかは、契約書にハンコを押す前に確かめます。あとからでは申請できない制度がほとんどです
目次
  1. 早見表:やりたい工事から探す
  2. 家の建った年で、入口が変わる
  3. 屋根で補助を使うなら「耐震」から
  4. 断熱材を入れる工事は「省エネ改修」
  5. 国の制度(住宅省エネ2026キャンペーン)
  6. 手すり・段差は介護保険と大阪市の上乗せ
  7. 堺市・東大阪市・八尾市・松原市の場合
  8. 補助金を使うときの注意点
  9. 台風で壊れた屋根は、補助金ではなく火災保険
  10. よくある質問

早見表:やりたい工事から探す

まず、ご相談の多い工事ごとに、補助が使えるかどうかを並べます。

やりたい工事補助が使えるか・使える制度
外壁塗装だけ(遮熱・断熱塗装を含む)使えません。大阪市・国とも、塗装工事は対象外と明記しています
屋根の葺き替え・カバー工法だけ使えません。大阪市の各制度とも、屋根工事「のみ」は対象外です
古い家の耐震補強と、屋根の軽量化使える場合があります。大阪市の耐震改修補助(工事費の2分の1・1戸あたり上限115万円)
窓の断熱と、屋根・天井・外壁の断熱材使える場合があります。国のみらいエコ住宅2026事業(最大100万円)、大阪市の住宅省エネ改修促進事業(上限30万円・70万円)
手すり・段差の解消(要支援・要介護の方)使えます。介護保険の住宅改修費(20万円まで)と、大阪市の上乗せ給付
台風・強風で壊れた屋根の修理補助金ではなく火災保険(風災補償)の対象になる場合があります

見てのとおり、補助が出るのは「家の性能を上げる工事」です。地震に強くする、断熱して省エネにする、暮らしやすくする。見た目を新しくする工事や、傷んだところを元に戻す工事は、補助の対象になりません。

家の建った年で、入口が変わる

どの制度が使えるかは、工事の内容の前に、家がいつ建ったかでおおよそ決まります。

家の建った時期対象になり得る制度
平成12年(2000年)5月31日以前大阪市の耐震診断・改修補助
昭和56年(1981年)6月1日以降に着工大阪市の住宅省エネ改修促進事業(それより古い家は、耐震改修をあわせて行う場合などに限る)
平成28年(2016年)12月31日以前国のみらいエコ住宅2026事業(平成3年以前か、平成4年以降かで上限額が変わる)

平成12年は、木造住宅の耐震の基準が見直された年です。大阪市の耐震補助は、それより前に建てた家を対象にしています。昭和56年から平成12年までに建った家は、耐震と省エネの両方の入口があることになります。

阿倍野区・住吉区・西成区など大阪市南部には、昭和の木造戸建てや長屋がまだ多く残っています。重い瓦屋根の家で屋根の工事を考えているなら、まず耐震のほうから見ていくのが近道です。

屋根で補助を使うなら「耐震」から

大阪市の「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」は、令和8年度(2026年度)に工事の上限額が拡充されました。

補助の内容補助率・限度額/申請締切
耐震診断11分の10・1戸あたり5万円(1棟20万円)/12月28日
耐震改修設計3分の2・1戸あたり10万円(1棟18万円)/12月28日
耐震改修工事2分の1・1戸あたり115万円/12月15日
解体(耐震除却)3分の1・1戸あたり70万円(1棟140万円)/12月28日

対象は、大阪市内にある平成12年5月31日以前に建てた民間住宅です。屋根の扱いについて、大阪市は次のように書いています。

※外壁改修工事や屋根改修工事のみを行う場合は、本補助制度の対象外です。

※耐震性の向上のため、壁補強工事と一緒に行う、外壁のひび割れ補修や屋根の軽量化については、補助対象となる場合があります。

—— 大阪市「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」(2026年9月1日更新)

つまり、葺き替えそのものではなく、「耐震改修の一部としての屋根の軽量化」なら対象になり得るということです。土を敷いた重い瓦屋根から、ガルバリウム鋼板のような軽い屋根に替えると、建物の上のほうが軽くなり、地震のときの揺れの負担が減ります。なぜ軽くすると効くのかは、屋根を軽くすると地震に強くなる理由で詳しく書いています。

工事の補助までには、段階がある

耐震改修工事の補助を受けるには、耐震診断で耐震性が足りないと判断され、耐震改修設計が済んでいることが条件です。いきなり工事の申請はできません。

  1. 耐震診断(家の耐震性を数字で調べる)
  2. 耐震改修設計(どこをどう補強するかを決める)
  3. 工事の補助の申請 → 交付の決定
  4. 契約・着工
  5. 完了の報告 → 補助金の受け取り

今年度の工事の申請締切は12月15日です。診断と設計を順に済ませる必要があるので、今年度の補助で工事をしたい場合は、日程に余裕がありません。来年度でよい場合も、診断を先に済ませておくと話が早く進みます。予算に達した時点で受付が終わる点にもご注意ください。

断熱材を入れる工事は「省エネ改修」

葺き替えやカバー工法のときに、屋根や天井に断熱材を入れる。この形なら、窓の断熱とセットにすることで省エネ改修の補助の対象になり得ます。大阪市には「住宅省エネ改修促進事業」があります。

  • 対象の家 — 大阪市内の住宅で、昭和56年6月1日以降に着工したもの(それより前の家は、耐震改修をあわせて行う場合などに限る)
  • 部分改修の条件 — 居間を含む2つ以上の居室で、外気に接する窓すべてを断熱改修すること
  • 対象になる工事 — 窓・ドアの断熱、天井・屋根・外壁・床の断熱、省エネ設備など
  • 補助額 — 省エネ基準レベルは対象費用の5分の2(上限30万円)、ZEHレベルは5分の4(上限70万円)
  • そのほかの条件 — 改修後の性能について、BELSなど第三者機関の評価・認証を受けること(その費用も補助の対象です)

ここでも、塗装と葺き替えははっきり外されています。

※外壁の塗装工事(断熱・遮熱塗装工事) 及び屋根の葺替工事 は補助対象外です。

※本事業と補助対象が重複する国の補助制度との併用はできません。

—— 大阪市「住宅省エネ改修促進事業」

「遮熱塗料で塗れば省エネ補助が出る」という話は、大阪市の制度では成り立ちません。屋根の暑さ対策そのものについては、2階の暑さは屋根が原因かもしれませんで、塗料・断熱材・葺き替えの違いを書いています。

国の制度(住宅省エネ2026キャンペーン)

国の住宅向けの補助は、2026年は「住宅省エネ2026キャンペーン」としてまとまっています。屋根・外壁の工事にいちばん関係するのは「みらいエコ住宅2026事業」です。

みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)

2025年度までの「子育てグリーン住宅支援事業」のあとを受けた制度です。子育て世帯に限らず、世帯を問わず使えます。補助の上限は、家の建った時期と、どこまでの省エネ性能に上げるかで決まります。

家の建った時期上限額(義務基準相当の工事/次世代省エネ基準相当の工事)
平成3年以前100万円/50万円
平成4年〜平成28年80万円/40万円
  • 必ず行う工事 — ある部屋の、外に面する窓・ドアすべての断熱。これに加えて、窓の性能や目標の基準に応じて、外壁・屋根や天井・床の断熱が必要になります
  • 屋根・天井の断熱は「躯体の断熱」に入ります。部位ごとに決まった量以上の断熱材を使うことが条件です
  • 塗装は対象外 — 公式のよくある質問で「塗装工事は本事業の補助対象ではありません。」と答えています
  • 申請するのは工事会社 — 登録した「みらいエコ住宅事業者」が申請します。施主が自分で申請することはできません
  • 1回の申請で合計5万円以上であることが条件です
  • 期限 — 交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも12月31日まで(予算に達した時点で終了)。リフォームの予算に対する申請額の割合は、9月18日時点で7%です

工事を頼む会社が登録事業者でなければ、この制度は使えません。見積りを取る段階で、登録しているかを聞いてください。

窓と給湯器の補助

  • 先進的窓リノベ2026事業(環境省) — 窓の断熱に特化した補助で、1戸あたり上限100万円。大阪市はこの補助の交付決定を受けた人に、窓の費用の3分の1(上限10万円)を上乗せしています(環境局「住宅等の脱炭素化促進事業補助金」)
  • 給湯省エネ2026事業(経済産業省) — エコキュートなど高効率給湯器の導入への補助です

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は今年度はありません

インターネットで「リフォーム補助金」を調べると、長期優良住宅化リフォーム推進事業がよく出てきます。外壁や屋根の劣化対策も絡む制度として紹介されていますが、公式サイトには「令和8年度、本事業は実施しません。」とあります。2026年の工事には使えないので、古い記事の情報にご注意ください。

手すり・段差は介護保険と大阪市の上乗せ

要支援・要介護の認定を受けている方がいる家の手すりや段差の工事は、介護保険の住宅改修費が使えます。

  • 支給の限度は1人あたり20万円(そのうち自己負担は所得に応じて1〜3割)
  • 対象は、手すりの取り付け、段差の解消、滑りにくい床材への変更、引き戸などへの扉の取り替え、洋式便器などへの取り替えと、それに付帯する工事
  • 工事の前に市町村への申請が必要です。ケアマネジャーに相談するところから始めます

大阪市には、これに上乗せする「高齢者住宅改修費給付事業」があります。介護保険の住宅改修と一緒に行う関連工事のうち、介護保険の対象にならない部分の費用を、所得の段階に応じて給付するものです(介護保険料の段階が第1〜6段階の世帯が対象)。

どこから手を付けるか、費用の目安はどのくらいかは、家のバリアフリーはどこから直すかにまとめています。

堺市・東大阪市・八尾市・松原市の場合

大阪市の外にお住まいの場合は、お住まいの市の制度を見ます。堺市・東大阪市・八尾市・松原市は、いずれも昭和56年5月以前に建てた木造住宅向けの耐震改修補助を令和8年度も実施しています。補助の上限や所得の条件は市ごとに違い、どの市も工事の前の申請が必要です。たとえば堺市は、今年度から耐震改修工事の補助限度額を100万円から115万円に増やしています。

外壁と屋根について、八尾市ははっきりこう書いています。

なお、八尾市では、外壁塗装や屋根の葺き替えのみの補助は行っておりません。

—— 八尾市「木造住宅耐震改修工事補助制度【工事】」

ほかの市でも、塗装や葺き替え単体の補助は見当たりません。市のページへのリンクは、この記事の最後の「参考にした公的機関の情報」に載せています。

補助金を使うときの注意点

1. 契約・着工の前に申請する

いちばん大事なことです。市の補助は、申請して交付の決定を受けてから、契約・着工するのが基本の順番です。順番が逆になると、補助は受けられません。「工事が終わってから補助金のことを知った」という場合は、残念ながら間に合いません。

補助金の申請から工事までの順番を示した図。相談・診断、申請、交付決定、契約・工事、完了報告の5段階で、交付決定のあとに契約する
市の補助は、この順番が基本です。交付の決定より前に契約・着工すると、補助は受けられません

2. 予算に達したら、期限の前でも終わる

どの制度も、予算に達した時点で受付が終わります。期限の日付だけを見て安心しないでください。

3. 国と市の補助は、同じ工事に重ねられないことがある

大阪市の住宅省エネ改修促進事業は、補助対象が重なる国の制度との併用ができません。一方で、大阪市環境局の窓の上乗せ補助のように、国の補助を受けた人だけが使える制度もあります。どれを組み合わせるかで受け取れる額が変わるので、申請の前に整理が必要です。

4. 工事会社が登録していないと使えない制度がある

みらいエコ住宅2026事業のように、登録した事業者しか申請できない制度があります。契約してから「うちは登録していません」では手遅れです。

5. 「補助金で実質無料」「市から来ました」には乗らない

補助金や行政の名前を口実にした訪問営業があります。八尾市は「府や市から委託されて」と名乗る訪問や電話があるとして、市が委託した診断士などが突然訪ねて耐震診断をしたり、屋根や外壁の工事を勧めたりすることはない、と注意を呼びかけています。その場で契約を急がせる業者は断ってかまいません。手口と断り方は訪問営業の手口と断り方に書いています。

台風で壊れた屋根は、補助金ではなく火災保険

台風・強風・雹などで屋根や外壁が壊れた場合、修理に使えるのは補助金ではなく、加入している火災保険の風災補償であることが多いです。経年劣化は対象外ですが、自然災害による破損なら対象になり得ます。

保険金を請求する権利は、保険法により3年で時効になります。申請の流れは台風で屋根が壊れたら|火災保険申請の流れ、時間がたってから出る雨漏りについては台風のあと、遅れて雨漏りが出る5つの原因をご覧ください。

よくある質問

外壁塗装だけでも補助金は使えますか?

大阪市では使えません。大阪市の耐震改修補助・住宅省エネ改修促進事業・空家利活用改修補助は、いずれも外壁や屋根の工事「のみ」は対象外としています。遮熱塗料や断熱塗料による塗装も、大阪市の省エネ改修と国のみらいエコ住宅2026事業の両方で対象外と明記されています。

屋根の葺き替えに補助金は出ますか?

葺き替え単体では出ません。ただし、平成12年5月31日以前に建てた大阪市内の住宅で、壁の補強などの耐震改修と一緒に行う屋根の軽量化は、大阪市の耐震改修補助(工事費の2分の1、1戸あたり上限115万円)の対象になる場合があります。また、窓の断熱とセットで屋根や天井に断熱材を入れる工事は、国や大阪市の省エネ改修の補助の対象になり得ます。

補助金は工事のあとから申請できますか?

大阪市の制度は、契約・着工の前に申請して交付の決定を受けるのが原則です。順番が逆になると補助は受けられません。国のみらいエコ住宅2026事業は、施主ではなく登録事業者(工事会社)が申請する仕組みなので、工事を頼む前にその会社が登録しているかを確認してください。

2026年度の補助金の締め切りはいつですか?

大阪市の耐震改修工事の補助は2026年12月15日、耐震診断・改修設計・解体の補助は12月28日が申請締切です。国のみらいエコ住宅2026事業は、交付申請の予約が遅くとも11月16日まで、交付申請が遅くとも12月31日までです。どの制度も、予算に達した時点で受付が終わります。

補助金が使えるかどうか、相談だけでもできますか?

できます。キヨスホームの現地調査・お見積りは無料です。補助の対象になるかは工事の組み方で変わるため、契約の前の段階でご相談ください。制度の最終的な判断は、各制度の窓口が行います。

「うちの工事は補助の対象になる?」の段階からご相談ください。補助が使えるかは工事の組み方で変わるので、契約の前が相談のしどきです。現地調査・お見積りは無料、大阪府内・関西圏へお伺いします。

お電話(090-8536-9397・9:00-19:00 年中無休)でご相談ください。

参考にした公的機関の情報

いずれも2026年9月18日に内容を確認しました。