この記事の結論

  • 台風のとき窓から水が入るのは、窓の故障とは限りません。一般的な住宅の窓は、風速16〜20m/s程度の雨風で水が入らない性能を目安につくられています。台風の暴風域は風速25m/s以上です。
  • 水が入りやすいのは、窓のサッシ・換気扇と給気口・ベランダの排水口・外壁とサッシのすき間の4か所です。屋根だけではありません。
  • 台風が来る前にできるのは、サッシのレールと水抜き穴の掃除、ベランダの排水口の落ち葉取り、雨戸を閉めること、雨の当たる面の給気口を閉じることです。どれも30分ほどで終わります。
  • 窓のすき間や換気口からの「吹き込み」は、原則として火災保険の対象外です。風で窓や外壁が壊れ、そこから雨が入った場合は対象になることがあります。
  • 風の弱い普通の雨でも濡れる、窓の上の角から水が伝ってくるという場合は、吹き込みではなく雨漏りの可能性があります。

「台風の夜、窓の下がびしょびしょになっていた」「レンジフードから、ぽたぽた水が落ちてきた」。大阪でも、秋の台風のあとにこうしたご相談が増えます。屋根ではなく、窓や換気扇から入ってくる水です。

まず知っておいていただきたいのは、強い台風のときに窓から水が入るのは、窓が壊れているからとは限らないということです。9月の終わりから10月にかけても、台風は日本に近づきます。この記事では、なぜ水が入るのか、どこから入るのか、台風が来る前に何ができるのか、そして火災保険の扱いをまとめました。

台風の夜、アルミサッシの下枠に雨水がたまってあふれ、窓ぎわの床にタオルを敷いている室内
窓が壊れていなくても、想定を超えた雨風では下枠から水があふれることがあります
目次
  1. なぜ新しい窓でも水が入るのか
  2. 水が入ってくる4つの場所
  3. 「吹き込み」か「雨漏り」かを見分ける
  4. 台風が来る前にできること
  5. やってはいけないこと
  6. すき間からの「吹き込み」は火災保険の対象外
  7. 修理・対策の費用の目安
  8. よくある質問

なぜ新しい窓でも水が入るのか

窓のサッシには、JIS(日本産業規格)で「水密性」という性能の等級が決められています。雨をともなった風のとき、どれくらいの風の圧力まで室内に雨水が入るのを防げるかを表す性能で、W-1からW-5までの5段階があります。

サッシメーカーの三協アルミは、一般的な住宅に必要な性能の目安をW-2かW-3としています。同社の説明では、W-2は1時間に240mmという猛烈な雨に風速16m/s程度の風が吹いても水が入らない性能、W-3は風速20m/s程度の性能です。

一方、気象庁の定義では、台風の「強風域」は風速15m/s以上、「暴風域」は25m/s以上の範囲です。並べると、こうなります。

風速何の目安か
15m/s以上台風の「強風域」(気象庁)
16m/s程度住宅の窓(W-2等級)が、雨水の浸入を防げるとされる目安
20m/s程度住宅の窓(W-3等級)が、雨水の浸入を防げるとされる目安
25m/s以上台風の「暴風域」(気象庁)
46.5m/s2018年の台風21号で、関西空港(関空島)で観測された最大風速

つまり、暴風域に入った時点で、一般的な住宅の窓は想定を超えた雨風を受けています。窓が新しくても、正しく取り付けてあっても、水が入ることはありえます。

もうひとつ大事なのは、雨水が入るかどうかは、雨の量より風の強さで決まるという点です。窓に強い風が当たると、外側の圧力が室内より高くなります。その圧力の差で、サッシの下枠(レール)にたまった水が押し上げられ、室内側へあふれてきます。

なお、台風のときにレールに水がたまるだけなら、浸入ではありません。水密性の試験でも、下枠に水がたまることは浸入とは数えず、サッシの枠を越えて室内に入ってきた場合を浸入と判断します。レールの水は、晴れたあとに拭き取れば大丈夫です。

水が入ってくる4つの場所

台風の横なぐりの雨で室内に水が入るのは、次の4か所にほぼ絞れます。1〜3は「吹き込み」、4は壁の中を通る「雨漏り」です。

1. 窓のサッシ(下枠のレールと水抜き穴)

サッシの下枠には、入った雨水を外へ逃がす「水抜き穴」があります。多くは屋外側の下のほうにある小さな穴で、小さなカバーがついていることもあります。

ここが砂ぼこりや虫の死骸でふさがっていると、レールにたまった水の逃げ場がなくなります。性能の範囲内の風でも、水があふれて室内に入ってきます。サッシメーカーも、台風時にサッシから水が入る場合は水抜き穴を掃除するよう案内しています。

また、引き違い窓は鍵(クレセント)をかけると、2枚の窓が引き寄せられてすき間が小さくなります。閉めただけで鍵をかけていない窓は、そのぶん風と水が通りやすくなります。

2. 換気扇・レンジフード・給気口

換気扇や給気口は、外壁に開いた穴です。外側には雨よけのフードがついていますが、横なぐりの雨はフードの下から吹き上がり、ダクトに入ります。それが伝って、レンジフードや浴室の換気扇から落ちてきます。マンションの管理会社も、台風などの強い横風では給気口やレンジフードから雨が入ることがあるとして、開いている給気口は閉じるよう案内しています。

換気扇は「止めておけば安全」とも言い切れません。止めていると外の風が逆に入ってくることがあると、換気扇メーカー(三菱電機)も案内しています。毎回の台風で水が落ちてくるなら、屋外フードの形(浅いフードか、雨の入りにくい深型・防風型か)や、フードまわりのすき間に原因があります。

3. ベランダの排水口(ドレン)

ベランダの排水口が落ち葉やごみで詰まると、台風の大雨でベランダがプールのようになります。水位が掃き出し窓の下枠の高さを超えると、そのまま室内へ流れ込みます。

秋は落ち葉が増える時期で、台風の季節と重なります。2階の寝室がベランダに面している家では、とくに注意が必要です。床の防水が傷んでいると、下の階の天井に出ることもあります(ベランダ防水の種類と劣化サイン)。

4. 外壁のひび・サッシまわりのシーリング

ここだけは「吹き込み」ではなく雨漏りです。横なぐりの雨は、外壁を上から下へ流れる水ではなく、壁に打ちつける水に変えます。サッシのまわりを埋めているゴム状のシーリング材が切れていたり、外壁にひびがあったりすると、そこから壁の中に水が入ります。

壁の中を回った水は、窓の上の角や、窓枠の内側から出てくることが多く、窓から吹き込んだように見えます。シーリング材はもともと10年前後で寿命を迎える材料です(コーキング打ち替えの時期)。

横なぐりの雨が住宅に当たり、窓のサッシ・換気扇と給気口・ベランダの排水口・外壁のすき間の4か所から水が入ることを示した図
台風の横なぐりの雨で水が入りやすい4か所。屋根だけでなく、窓・換気口・ベランダ・外壁のすき間から入ります

「吹き込み」か「雨漏り」かを見分ける

吹き込みは、雨風がおさまれば止まります。雨漏りは、建物のどこかに水の入り口ができているので、次の雨でもまた起きます。濡れ方で、おおよその見当がつきます。

濡れ方考えられること
台風や強い横風の日だけ、風の当たる面の窓の下が濡れる吹き込み。サッシの性能を超えた雨風によるもの。水抜き穴が詰まっていると、あふれやすくなる
風の弱い、普通の雨でも濡れる雨漏りの可能性。サッシまわりのシーリング切れや外壁のひび
窓の上の角や、窓枠の上のほうから水が伝ってくる雨漏りの可能性が高い。壁の中を回った水が、窓の開口部に出てきている
台風が過ぎて晴れても、窓まわりの壁紙が湿っている・浮いてくる壁の中に水がたまっている可能性。カビや下地の腐れにつながる
換気扇やレンジフードの下に、雨の日だけ水が落ちる屋外フードからの吹き込み。毎回起きるならフードの形やまわりのすき間

窓の下だけが濡れて、晴れたら乾き、普通の雨では何も起きない。これなら多くは吹き込みです。一方で、窓の上から伝ってくる水、晴れても乾かない壁は、吹き込みではありません。壁の中が濡れ続けると、見えないところで木材が傷んでいきます。

現地調査・お見積りは無料です。お電話(090-8536-9397)かお問い合わせフォームからご相談ください。

台風が来る前にできること

台風の進路予報が出てから、風が強くなる前までにできることです。どれも30分ほどで終わり、道具も家にあるもので足ります。屋根や2階の外壁には上がらないでください。

窓

  • レールの砂ぼこりを掃除機で吸い、水抜き穴をつつく — 細い棒や歯ブラシで、屋外側の穴の入口をかき出します。コップ1杯の水をレールに流して、外へ抜けていけば通っています
  • 鍵(クレセント)までかける — 窓どうしが引き寄せられて、すき間が小さくなります。東京消防庁も、窓や雨戸はしっかり鍵をかけるよう呼びかけています
  • 雨戸・シャッターがあれば閉める — 雨を窓の手前で受け止めるので、サッシに当たる雨風が大きく減ります。飛んできた物から窓ガラスを守る役目もあります
  • 窓ぎわにタオルや吸水シートを敷き、家電や本を窓から離す — 吹き込みはゼロにはできないので、濡れても困らない状態にしておきます
  • カーテンを閉める — 万一ガラスが割れたときに、破片が室内に飛び散るのを防ぎます。飛散防止フィルムがあれば、より安心です

換気扇・給気口

  • 雨が当たりそうな面の給気口のフタを閉める — 全部を閉める必要はありません。風上になる側だけで十分です
  • 台風が過ぎたら、必ず開ける — 閉めたままにすると、家の換気ができなくなります。閉めたことを家族で共有しておきます
  • 換気扇を止めるかどうかは、取扱説明書で確認する — 止めると外の風が入りやすくなる機種もあります。レンジフードの下には、念のため受けるものを用意しておきます

ベランダ

  • 排水口の落ち葉やごみを取る — 排水口のまわりに置いた植木鉢やプランターもどけます。東京消防庁も、排水口を掃除して水はけを良くしておくよう呼びかけています
  • 物干し竿や鉢植えを室内に入れる — 飛ばされた物が、自分の家や隣の家の窓ガラスを割ります。ガラスが割れると、吹き込みでは済まなくなります

ベランダの作業は、風が強くなる前の日までに済ませてください。風が出てからベランダに出るのは危険です。

やってはいけないこと

  • 水抜き穴をテープやコーキングでふさぐ — 外からの風を止めたくなりますが、水の出口がなくなり、レールの水が室内へあふれます
  • 窓まわりのすき間を、自分でコーキングで埋める — 水の出口までふさぐと、行き場を失った水が壁の中にたまり、見えないところで被害が広がります
  • 風が強くなってから、ベランダや外に出て確認する — 飛来物に当たる危険があります。確認は台風が過ぎてからにします
  • 給気口を閉めたまま忘れる — 換気が止まり、結露やにおいの原因になります
  • 「保険で無料で直せます」と訪ねてきた業者と、その場で契約する — 台風のあとに増えます。すき間からの吹き込みは原則として保険の対象外です。詳しくは訪問営業の手口と断り方をご覧ください

すき間からの「吹き込み」は火災保険の対象外

火災保険の「風災」補償は、台風などの強風で建物が壊れた損害を補償するものです。ここで大事なのは、建物が壊れたかどうかです。

  • 対象外になる例 — 窓のすき間、閉め忘れた窓、換気口や給気口から雨が吹き込み、床や壁紙が濡れた。建物そのものは壊れていない
  • 対象外になる例 — 屋根や外壁がもともと劣化していて、そこから雨が入った(経年劣化)
  • 対象になることがある例 — 飛んできた物で窓ガラスが割れた、屋根や外壁が風で壊れた。その壊れたところから雨が入り、室内が濡れた

損害保険会社(三井住友海上)も、台風で窓ガラスや屋根が壊れ、そこから雨が入った場合は風災の対象、屋根の劣化が原因の場合や、開いていた窓などから入った場合は対象外、と案内しています。

このため、台風のあとに室内が濡れていたら、まず窓ガラスや外壁に壊れたところがないかを見て、あれば写真を撮ってください。壊れたところがなく、窓の下が濡れただけなら、保険ではなく、水抜き穴の掃除や、次の台風の前の備えで対応するのが基本です。細かな条件は契約によって違うので、加入している保険会社か代理店に確認してください。申請の流れは台風で屋根が壊れたら|火災保険申請の流れにまとめています。

修理・対策の費用の目安

吹き込みそのものは修理の対象ではありませんが、水抜き穴の詰まりや、吹き込みに見えて実は雨漏りだった場合には、工事で直せます。以下は一般的な目安です(2階以上で足場が必要な場合は、別途20万円前後かかることがあります)。

工事内容費用の目安
サッシまわり・外壁シーリングの打ち替え(部分)3万円〜20万円程度
ベランダ排水口の清掃・改修1万円〜10万円程度
ベランダ防水のやり替え10万円〜30万円程度
換気扇・給気口の屋外フードの交換(深型・防風型へ)1か所 数万円程度

壁の中まで水が回っていた場合は、内装や下地の補修が加わります。窓の上から伝ってくる水や、晴れても乾かない壁は、早めに原因を確かめるほど工事が小さく済みます。

よくある質問

台風のとき窓の下が水びたしになりました。窓の故障ですか?

故障とは限りません。一般的な住宅の窓は、風速16〜20m/s程度の雨風で室内に水が入らない性能を目安につくられています。台風の暴風域は風速25m/s以上なので、窓が正常でも水が入ることがあります。ただし、サッシの水抜き穴が詰まっていると、ずっと弱い風でもあふれます。風の弱い普通の雨でも濡れる場合は、吹き込みではなく雨漏りを疑ってください。

台風のときレンジフードや換気扇から水が落ちてきます。どうすればいいですか?

強い横風で、外壁の換気フードから雨が吹き込み、ダクトを伝って落ちてきている状態です。当日は真下に容器やタオルを置いて受けてください。毎回の台風で起きるなら、屋外フードの形(雨の入りにくい深型・防風型への交換)や、フードまわりのすき間を点検すると改善できることがあります。

台風のとき、壁の給気口は閉めたほうがいいですか?

雨が当たりそうな面の給気口は、台風の間だけ閉じてかまいません。すべてを閉める必要はありません。台風が過ぎたら、必ず開けてください。閉めたままにすると、家の換気ができなくなります。

窓から吹き込んだ雨で床が濡れました。火災保険は使えますか?

窓のすき間や開いていた窓、換気口から雨が吹き込んだだけの場合は、原則として火災保険の対象外です。風で窓ガラスが割れた、屋根や外壁が壊れたなど、建物に破損があり、その破損したところから雨が入った場合は、風災として対象になることがあります。細かな条件は契約によって違うので、加入している保険会社か代理店に確認してください。

サッシの水抜き穴はどこにありますか?

多くの窓では、サッシの下枠の屋外側に、小さな穴や、穴をふさぐ小さなカバーがついています。レールにたまった雨水を外へ逃がすための穴です。砂ぼこりや虫で詰まりやすいので、台風の前に掃除機でレールのごみを吸い、細い棒や歯ブラシで穴の入口をつついておきます。穴をテープなどでふさぐのは逆効果です。

調査だけでも来てもらえますか?費用はかかりますか?

現地調査・お見積りは無料です。散水調査など時間のかかる調査が必要な場合は、事前に費用の有無をご説明してから実施します。

窓の上から伝ってくる水や、晴れても乾かない壁は、吹き込みではなく雨漏りかもしれません。現地調査のうえ無料でお見積りします。大阪府内・関西圏は最短当日にお伺いします。

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